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コーチングステッチとは?
コーチングステッチとは、土台となる糸をはわせた上から、ストレートステッチやバックステッチで止めていくという技法のことです。この土台となる糸そのものは、縫わずにただ布の上に置くだけです。
まず、チャコールペンなどでマークした部分にこの土台の糸を配置します。作業環境によっては布を動かすこともあるため、土台の糸が指定の場所にしっかり止まるように工夫しましょう。土台となる糸は、針に通して布の表に出しておきます。
これは最後の位置が決まるまで出しっぱなしにしておくため、止める用の糸と絡まないように注意してください。位置が決まったら、止める糸を土台の糸の真横から出し、上から締め付けるように刺しつけます。
裏地に針が通ったら、少し間隔をあけてまた土台の糸の横から出し、締め付けるように刺します。これを指定の場所まで繰り返し、最後に土台となる糸を差し入れたら終わりです。
レイズドコーチングステッチ
レイズドコーチングステッチもご紹介しましょう。これは土台の糸を何本も載せて行うコーチングステッチで、格子状に組んだりするデザインが見られます。レイズドとは持ち上がったなどを意味するため、このように呼ばれています。
土台となる糸が何本もあり絡みやすいため、作業の難易度も上がるのがレイズドコーチングステッチです。格子状になった中をバックステッチで交差するように止めていったり、格子状になっている部分をクロスステッチで頑丈に止めたりします。
通常のコーチングステッチもレイズドコーチングステッチも、起点となる場所から土台となる糸と止める用の糸を出していきます。通常は、目立たないようにどちらも同じ色で縫うことが多いため、混乱しないようにゆっくり作業しましょう。
止める糸は出す位置と刺す位置を同じにするときれいに仕上がります。加えて、どちらも刺し終わりは玉止めで止めるのが基本です。裏地で糸をくぐらせて止めると、曲線を刺している場合は特にごちゃごちゃと糸が溢れてしまいます。
自由度の高いステッチ
コーチングステッチは、曲線なども自由に表現できる優れた技法です。それもそのはず、糸を布の上に置いて止めるだけであるため、マス目や角に縛られずに糸を配置することが可能です。
これにより、複雑なデザインの刺繍はもちろん、文字やスケッチ風のデザインも自由自在に行えるようになります。慣れるまではハードルが高いと言われるコーチングステッチですが、ぜひとも積極的に取り組んで、どんどん自分のものにしていきましょう。